DNA

終末を僕たちはスキップしてさ。
差分違いの今日を生きた、枯れ果てちまったトーキョー。
順番を待っていた自由の切符は、矛盾以外残んなかった。
ふたりぽっち踊っていた。

ねえ、涙、何故か噛みつき合う僕ら、いっそ歯形で憶えあって。
誰が見ても先のない屋上で、愛を語っていた。

DNA運んでゆけ、僕ら頭の先まで無我夢中。
DNA運んでゆけ、どこからどこへゆこうがシステム。
そうさ、今、忘れちゃう前に
全部、思い出しといたよ。

最後に僕に縫い付ける。
僕に縫い付けたそれは、
遺伝子を全部塗り替える。
僕に縫い付ける。
僕に縫い付けたそれは、
記憶も、記録も、書き換えてしまうような鼓動。

なんで僕ら生まれ落ちて、
ねえ、なんで僕らつがいあって、
ねえ、なんでこんな言葉なんて要らなかったよ。
要らなかったよ。
なんで僕ら息を吐いて、
ねえ、なんで僕ら愛し合って、
ねえ、なんで声を重ね合ってしまう。
ねえ、しまうんだろう。

最後に僕に縫い付ける。
僕に縫い付けたそれは、
遺伝子を全部、全部塗り替える。
僕に縫い付ける。
僕に縫い付けた振動は、
あなたが紡いだ、溢した、唄ったささやかな孤独。
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