A2出口

A2出口を出る君が
頭の先から見えてくる
A2出口を通りゆく
人たちの最後の方
バツの悪い顔
思ってもないのに
A2出口で待つ人の
俯いた瞳の闇
A2出口は無機質な
地下道の終着地
湿度の高い川の底
染み出した壁の傷
「A2出口が近いよ」と
何度も言ったはずなのに
忘れた訳じゃないだろう?
一体僕は何を見た?
退屈と虚しさが
結局いつも交差する
A2出口を通り抜け
そうして僕に潜り込む
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