2025年4月9日に“YUTORI-SEDAI”がMajor 1st Debut EP『blanket』をリリースしました。今作には全4曲が収録。タイトルには「どんな時も、どんなあなたも温かく包み込めるように」という思い、「音楽を通して“あなたの全てを肯定する”ため、限られた状況下で使われる毛布やマフラーではなく、使用用途の多さや時期や状況を問わず使われるブランケットみたいな存在でありたい」という気持ちが込められております。
さて、今日のうたではそんな“YUTORI-SEDAI”の金原遼希による歌詞エッセイを2回に渡りお届け。第2弾も引き続き【EPに関して】のお話を綴っていただきました。収録曲「私だって、」「新宿ロマンス」「ロックンロール」それぞれに込めた想いは…。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイをお楽しみください。
前回に引き続きEPのお話。
リード曲の「私だって、」は、実は約2年前ぐらいにメロディラインの一部は出来上がっていたんです。僕的には、絶対これだ!という確信があって。スタートはそこからでした。
歌詞は、過去の恋愛、学生時代、リアルに体験した出来事をベースに書きました。
当時、好きだった子がいたのですが、実は僕の近しい友人と付き合っていたことを後から知って。
友人が相手だったのもあって、伝えられず後悔して。
その時の歯痒さを思い出しながら歌詞に乗せました。
好きな人には好きな人がいる。
ただそれをどうにかできるわけではなくどうしようもない状況。
そのなんともいえない、もどかしくて切ない感情が、サビのストリングスが目立つ曲調ともピッタリだなと思っています。
大きく楽曲を通して伝えたいのは、どんな状況であっても、自分の価値観や思いを伝えることを大切にしてほしいということです。後から後悔してほしくない。
「私だって、」の先に込めた気持ちをしっかりと相手に伝えてほしい。
そんな想いで書いた楽曲です。
「新宿ロマンス」も、実際の経験から作った曲で、“情けない男の片想いソング”です。
もともと昭和歌謡が好きで、その雰囲気から楽曲制作に入りました。
無理だと思っていても少しの期待をして、そわそわした気持ちで誘いに乗るけど、
どこか不安だったり、あとひと押しができなかったり、そんな心情を表現しています。
この曲はタイトル通り、新宿が舞台で、実体験の情景描写をそのまま歌詞として書いているのでよりリアリティを感じてもらえると思います。
シーンは違ったとしても、誰しもが恋をしている時に体験したことのあるような感覚かなと思っているので、「あの甘酸っぱいけどほろ苦い感覚、そういえばあったな」と共感してくれたら嬉しいです。
「ロックンロール」は、今回のEPの中で唯一、恋愛曲ではなくメジャーデビュー作品のこのタイミングだからこそ自分へ向けて書いた曲です。
バンドだけでなく生きていく中で、一人孤独を感じて立ち止まってしまう場面が多いけど、立ち止まっていては何も始まらないし進まない。一旦、前に進んでみるとそこから勢いがついて進んでいくこともある。
そんなメッセージを伝えたい気持ちからこういう曲になりました。
岩が転がるとき、最初はぎこちないけれど、どんどん転がるうちに角が取れて丸くなり、スムーズに転がっていく。そんな様子をイメージしてタイトルは「ロックンロール」。
夢を追いかけている全ての人に届いてほしい、そんな1曲です。
今回初のメジャー作品なので、このEPでYUTORI-SEDAIとは何かを知っていただけることを目指して制作しました。
4曲通して聴きながら僕たちの音楽をしっかりと感じてもらえたら嬉しいです。
<YUTORI-SEDAI・金原遼希>
◆Major 1st Debut EP『blanket』
2025年4月9日発売
<収録曲>
01. ベストシーン
02. 私だって、
03. 新宿ロマンス
04. ロックンロール