ネクライトーキー
そういうものでしょう?
2025年3月26日に“ネクライトーキー”が2nd EP『モブなりのカンフー』を配信リリースしました。今作には、2024年7月にリリースされた、リアル脱出ゲーム『トラブルだらけのライブハウスからの脱出』テーマソング「人生なんにもわかんねえ!」、新曲「そういうものでしょう?」を含む全4曲が収録。疾走感溢れるロックからミディアムチューンまで、ネクライトーキーの真骨頂である痛快なサウンドを楽しめる作品となっている。
さて、今日のうたではそんな“ネクライトーキー”による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 第2弾は中村郁香が執筆。収録曲「 そういうものでしょう? 」のお話です。この歌詞で思い出した自身のここ5年間のこと。心身の不調がありながらも、なんとか踏ん張ることができたきっかけは…。ぜひ楽曲と併せて、エッセイを受け取ってください。
こんにちは、ネクライトーキー2回目を担当します!中村郁香です。EPの中で一番好きかもしれない「 そういうものでしょう? 」という曲なのですが、この曲の歌詞を見ながらふと思い出した、ここ5年の自分の話でもしようかなと思います。
東京に引っ越して5年ほど経ちました。そしてメジャーデビューもちょうど5周年ですね。この5年でコロナでライブが消えたりマスク着用ライブが始まったりといろいろありましたね。
仕事が情勢に翻弄されている間、自分も今までに体験した事のなかった体調の変化や心境の変化がありました。正直な所、マスクなしでのライブが解禁されてみんなが喜んでいる時、私だけが気持ちが追いつけずにいました。ステージに立つ事に抵抗を覚えてしまって、その理由がわからずにずっとモヤモヤしていたのを覚えています。ライブ解禁されたけどまだ行くのは怖いな…と思っていたのと同じ感覚だったのでしょう。
その時は、時間が経てばどうにかなるだろうと思っていました。ですが簡単にはいきませんでした。口では頑張るよと言っているものの、全く身体が動かないんですよね。焦れば焦るほど思うように自分をコントロールできないのに、スマホをつければ仕事のライン通知ばかりでしんどかったです。遅刻常習犯になり、メンバーを困らせている自覚もありました。
何かリセットして落ち着かせたい。そんな時、縁もありスキューバダイビングをやり始めました。最初の体験でのインストラクターさんの人柄もあり、とてもリラックスできたんです。それから別のショップでライセンスなどを取り始めましたが、以前より自分のコントロールがうまくできるようになっていきました。
そんなこんなで今の自分がここに立てているというわけです。主観的にみると大変だったなぁと思いますが、客観的にみると別に大したことではないし、そういう思いをした人は大勢いましたよね。ただ振り返った時、みんな見えない所で同じような気持ちでも頑張っていたんだなと思うと、自分もまだ踏ん張れるかなっと思いました。これが5年間の自分です。
このコラムを書いている時に、話が暗くなりすぎてどうしようと思っていましたが、ちょうどWiennersとの共同主催のライブイベントがあり、こうやって楽しく話せて、心の底から笑えるバンド仲間ができたのだから、しんどい時期に心が折れなくてよかったと思います。生きてて辛い事ばかりじゃないですから。
<ネクライトーキー・中村郁香>
◆紹介曲「 そういうものでしょう? 」 作詞:朝日 作曲:朝日
◆2nd EP『モブなりのカンフー』
2025年3月26日配信