きみのまぼろし

硬い硬い土を割り芽吹いた草木が いつか必ず咲き誇ると
長い長い時をかけ蕾をつける様に憧れてた
どれくらい経ったろう 嫌になるくらい粘ったよ それでも変われず
「暗い暗いきみは暗い」誰かの言葉が今も蝕む
ひとひら花びら掴み損ねるたび 躍起になって飛んでは跳ねた
伸ばした手のひらすり抜ける薄紅 足元に散らばる願い
淡い柔い光が眩しくて目を細めた
脳裏の間に間に未だに映るのは きみのまぼろし
赤い赤い花が咲く街路樹を横目に 行く当てもなく彷徨う
立ち止まれば良かったの? 歪さを残して進むよりも
ひとひら花びら散り急ぐ若さに 「待って」なんて時は戻らない
それでもきみだけが忘れられなくて 足元にこぼれた願い
手のひら手のひら重ねた あの日々がよぎるよ
脳裏の間に間に未だに映るのは きみのまぼろし
置いてけばいいなんて吐き捨てたのに 居なくなればこんなに寂しくて
きみの頬張りついていた涙を拭い損ねた僕だから
やっぱ だめだよね
ひとひら花びら掴み損ねるたび 躍起になって飛んでは跳ねた
伸ばした手のひらすり抜ける薄紅 足元に散らばる思い出
淡い柔い光の中あの日々がよぎるよ
脳裏の間に間に未だに映るのは きみのまぼろし
もしも もしも 叶うなら 今度こそちゃんと大事にするよ
もしも もしも 会えるならなんて微睡む きみのまぼろし
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