シンデレラ

「イヒヒヒヒ。わたしは魔女だよ。
さあ、魔法の時間をあげよう。
魔法の時間をね。
チチン……プイプイ……」

不幸せという言葉が似合う女がひとり。
今日も窓辺で灰色の街を見つめてる。
昨日の恋は忘れましょう。
あれは魔法の時間。

「ああ、ばかばかしい。
男はお金、女は美貌に決まってるのよ」
「あほちゃう。あんたの存在そのものが男を不幸にするんやないの」
「恋は病。醒めれば夢。はかない夢」

ねえキミ。さみしい恋をひとりでしてたのかい。
幸せも不幸も一緒に背負えばいいじゃないか。
昨日の恋を思い出して。
あれは魔法の時間。

さあ 勇気を出して。
いま わたしが変わる。
このガラスの靴に足を入れてごらん。
色づく町に胸がときめく。
ねえ ぼくを信じて。
ええ 信じましょう。
これが恋だよ。
これが恋なのね。

いつまでもかわらずに。
はじめての夜を抱きしめていよう。
二人の夢のような魔法の時間。

いつまでもかわらずに。
はじめての夜を抱きしめていよう。
二人の夢のような魔法の時間。
×