vacancy

成し遂げた夢が 素晴らしければそうであるほど
その先の道の果てしなさに お前はいつか迷うだろう
張り上げた声が 遠く響けばそうであるほど
その先に襲いくる沈黙に お前はきっと負けるだろう

取り合った手が 通じ合っていればそうであるほど
それをほどいた後の虚しさに お前は打ちのめされるだろう
高鳴った胸が 冷めやらねばそうであるほど
寄り添ってくれはしない世界を 俺たちは恨んでしまうだろう

ここで立ち止まれたらどんなに幸福か
絵空事を浮かべては吹き消して
時間だ 征こうか ここから先は互いの地平の向こうへ

勝ち取った旗が 大勢を導くならそうであるほど
それを掲げることの重たさに お前は潰されかけるだろう
成し遂げた夢は いつ何時牙を剥くとも知れず
それを抱いてあてなき荒野に立つ 俺たちはどこまで征くんだろう

ここで眠れたならどれほど幸福か
踏み留まりまた朝を迎えてしまって
ほらな、決まり悪そうに笑う互いの今日を思って

ここで終われたならどんなに幸福か
ほつれた先にまだ続いていく
ひとり ふたり 見えなくなる 孤独な地平の向こうへ
俺たちももう、時間だ 征こうじゃないか
またいつの日か 再会は地平の向こうで

成し遂げた夢が 素晴らしければそうであるほど
その先の道は果てしなく ただ白く続いているんだろう
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